メンテナンス:スポークレンチと振れ取りと

Kingfisher

2008年09月21日 18:08

 スポークレンチ、あるいはニップルレンチと呼ばれる工具。
 スポーツ車に乗っていると結構お世話になる工具です。
 ※ちなみに、スポークとはホイールの金属線の部分、ニップルとはそれとリム(タイヤを取り付ける輪っか部分)を繋いでいるナットのような部品です(プレスポは鉄ニップルなのでしばらく乗っている人は茶色く錆びちゃっている部分です)

 で、何故お世話になるかと言うと、段差での衝撃や、急制動などでホイールが変形(振れと言う)することがあります。 特にプレスポのホイールはお安いので振れが出やすく、普通に走っているだけでもある程度の距離になると振れが出てきます。
 振れには二種類あり、上下方向の縦振れと、左右方向の横振れ。 縦振れが出ると、ブレーキシュがタイヤに接触したりする不具合が出ますし、横振れが出ればブレーキをかけたときに急に効いたり効かなくなったり(接触面積が回転で変化するから)、大きく振れると普通に走行しているだけでリムがブレーキシュに接触したりしてしまいます。
 で、これを修正するのが振れ取りという作業です。

 正確な振れ取りは結構難しいので、基本的にお店に任せてしまうのも良いかと思いますが、結構乗る人などは自分で取れるようになった方が良いですね。
 また、サイクリングに出て段差などに突っ込んでしまって大きな振れが出て、シュにリムやタイヤが当たってしまい走れないなんて言う事も発生しうるので、出来ればある程度の振れ取りは出来るようになっておきたいものです。
 で、振れ取りに最低限必要な工具がタイトルのスポークレンチという物です。

 安い物では、ホーザンのニップル回しが#10~#15対応で300円程度ですが、下手に使うとニップルの2面、しっかり扱っても3面までしか押さえられず、ニップルのカドがなめて回らなくなってしまったりします。
 で、オススメなのがパークツール SW-42Cと言うスポークレンチ。 #14/15(3.4mm幅ニップル)のみ対応の物ですが、これはニップルの4面全てを押さえられるのでなめにくく便利です。

 実際の使用法としては、右に振れていれば、その部分の右側スポーク1本を緩め(スポークは正ネジですので、ニップルを時計回りに回す)、その両隣にある左側スポークのニップルを締め込みます。 左に振れていればその逆の作業で振れを取ります。
 中央を緩めてから両脇を締めるというのは、縦のテンションを維持するためです(縦のテンションがずれると縦振れになります)

 自宅でのメンテで行う振れ取り作業では、パークツール TS-8等の振れ取り台と言う物を使って振れ取り作業を行うのが楽ですが、早々滅多に作業しない、精度は求めないと言うのであれば、ブレーキレバーをいじってワイヤーテンションを高くして(調整ボルトを緩める)、適当な位置でブレーキシュがリムにギリギリ当たらないようにして、タイヤをくるくる回してシュが接触する場所があったら先の方法で横振れを取ります。
 縦振れの場合は、出っ張っている場所の左右のニップル1本ずつを同じくらい締め込む感じで作業します。 左右を均等にしないと横振れになります。

 縦振れは普通に乗っている分には2~3mm程度は通常走行上許容範囲だと思いますが、横振れはブレーキの関係もあって3mmもあると結構キツイです。
 なお、振れ取り作業時にはパークツール WAG-3の様なセンターゲージもあると便利です。 センターゲージはリムをハブの中心(センター)に出す為のツールです。
 センターがずれると、ブレーキを握ったときに、リムが左右に動いたりしてアレなので、センターは必ず出しておきましょう。
 なお、TS-8の様な割とがっちりした振れ取り台であれば、ホイールの左右を入れ替えながら振れ取りすればセンターを出すことが出来るので、必須ではありませんが、ミノウラTrueProみたいにぐらつく振れ取り台だとセンターゲージがないとキツイかと思います。


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